オーダーから3年越しに製作の鞄出来ました。

鞄、完成しました。

藤咲には珍しいビジネスライクな鞄です。

仲のいい友人のお父さんから頼んでもらったものです。

普段作らないようなタイプの鞄ですが、大切な方からのオーダーだったので、作り方などかなり頭をひねりながらも、がんばりました。

鞄 バッグ レザー
焦茶でということだったので、イタリア産NEW YORKという革を使いました。
この鞄の構造は、僕が色々見た中でもこれは超やばいなと前々から感じていたものを参考に、アレンジして製作しました。
サイド部分は手縫いでぐるっと。
この鞄の最大の特徴は、持ち手から下に伸びたパーツが鞄本体とは独立しており、力が底にかかるようになっているので、クラッチバッグを腕で抱えているような具合になります。そうすることで、力が一箇所にかかる事を防ぐ作り。このアイディアはホントすごい。
口の上のところはヴィトンのバッグを分解して勉強したテクニックを採用。
両サイドにポケットを。ここにサッと出したい書類を。ちらっとブルー。
ファスナー引き手。ファスナーはYKKエクセラのブラックのテープを使いました。引き手の縫い糸もブラック。
内側は水色ピッグスウェード🐖
携帯などを入れれるようにマチのついたポケット
ペン挿し。現在使っていた鞄を見させてもらったらボールペンの引っ掻きが付いていたので、それが起こっても目立たないように黒のシボのある革をベースに使いました。
内側の縫製は青いステッチ。ステンレスの二重カンをかますと、下に垂れる時に綺麗に収まりますね。
ロゴ配置
今回の内ポケットの布は黒のストライプ
底鋲を5つ。このように持ち手の下のパーツがぐるっと一周おおってくれています。ちなみにこのストラップパーツは、革の両側をすいてへり返して作りました。そうした時の革の豊かな表情がとても好きです。

 

以上、新しく完成した鞄でした。

実はこの鞄、3年ほど前に友人の家に遊びに行った時にもらっていたオーダーでした。その時は快く承諾したのですが、なかなか製作出来ずにいました。分かってはいたけどなんとなく後ろにズラしてしまっていました。

そして最近また遊びに行かせてもらった際に、お父さんが当時から使っていた鞄をまだ現役で使っていたのを見て、「鞄てまだ受け付けてますか?」と聞くと「もちろん!」と返してくれました。

とても申し訳ないなという気持ちと同時にすごく嬉しい気持ちになりました。

しかしなぜ今までつくらなったかというと、心の中で「俺が作っても大したものはできないだろうから申し訳ないな」と考えていました。

それがこのタイミングで作ろうと思えたのは、少しづつですが自信を持つことが出来てきたのかなと思います。

いざ作るとなっても試行錯誤はたくさんで、なかなかに苦戦しましたが、いいものを作ったら、ご本人と家族が喜んでくれるだろうなという絵が浮かんできて、自然と馬力が湧くというか、苦しく感じずに向き合うことが出来ました。

そんな感覚とはまた別の側面も感じることが出来ました。

“あぁこれは自分の仕事ではないな”

と作ってみて思いました。

こういったキチッとしたものを作る事にワクワクを感じ、のめり込んで行くことができる人もきっと存在していると思うのですが、自分の良さを発揮するのはまた別のところにあるなと思いました。

しかしそれがこの鞄に対してマイナスな観点になるかというとそういうわけではなく、これを全力で作ったことで気づかせてもらえたという気がします。

変化するということは不変であるという観点がとても好きなのですが、今後も変わって行く中でよりクリティカルなものを生み出せていけたらと思います。

それをみんなで共有しながら遊んでいけたらいいな。

ありがとうございました!

藤咲